日本美術が笑う(森美術館)2007/03/24 03:15:56

日本美術が笑う


昨夜久しぶりに夜の遠足「森美術館ナイトツアー」に参加した。今回の展覧会は、「日本美術が笑う」というもので、サブタイトルに「縄文から20世紀初頭まで 若冲、白隠、円空、劉生」とあるように縄文時代の埴輪から岸田劉生に至るまで、様々な笑いを含む作品群が展示されている。今回の解説は、担当キュレーターの広瀬麻美さん。担当キュレーターだけあって作品の解説が的確なのは勿論の事、その内容が非常に面白く美術館内に笑いが起こるという不思議なツアーとなりました。もしかしたら広瀬さんの解説を聞きながらこの展覧会を見ることで、企画の趣旨が完遂されるのかもしれません。また、各作品の展示方法などについての解説は非常に興味深く、舞台を舞台裏から眺めているような感覚に近いものがありました。掛け軸の見方や愉しみ方などの基本的な説明も知らない者からすると大変新鮮でした。「この軸の表装が、あまりに悪趣味だったので変えました。」とか、サラッと言ってのけるところが流石だなぁなどと妙に感心したりしました。

併設されている「笑い展」は、現代美術を中心にすえた作品でコチラは4つのコンセプト毎に展示されていて中でも目を引いたのは、会田誠の「日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」と題されたビデオ作品である。茶室のような三畳ほどの畳の部屋に裸電球が1個ぶら下がっていてそこにモニターが置かれ作品が流されている。モニターには、会田誠自身が扮するビン・ラディンと名乗る男が、一升瓶が転がる下宿部屋みたいなところでコタツに入りながらコップ酒をあおり、ひたすらサキイカなどを食べながら日本語で自己紹介したり潜伏の辛さなどを語り、その内容が英語字幕で表示されるというシニカルな作品だ。

で、二つの展覧会を見学してから件のアートバーに流れる。カウンターが、いっぱいだったので、テーブル席に座る。隣には、銀座のアートスペースがある和モノ雑貨店のプロデューサー、向かいには渋谷で現代美術のギャラリーを経営する若きギャラリスト。その隣には、そこで近々作品展をやる予定の作家。と全く仕事関係では出会う機会のない方々ばかりで今夜も愉しく夜はふけていく…

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