映画三昧2011/01/01 18:10:21

映画三昧


あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

ということで、元旦から正月に観ようと撮り貯めておいた映画を片っ端から観てます。

今日は、朝からぶっ続けでポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督作品を堪能。

不要な枝葉を落とした物語を台詞も最小限に留め丁寧に描き切る映画の中の映画といった感じの作品です。

映画少年だった中学生の頃にアンジェ・ワイダとかを一生懸命に観ていた記憶が甦りました。

今年を占う2011/01/02 19:56:17

今年を占う


CubaのIfá今年を占う。

http://www.folkcuba.com/aa_la_letra_2011.htm

La Giraldilla(六本木 La Gorda)2011/01/06 21:48:59

La Giraldilla(六本木 La Gorda)


昨日は、今年の初仕事。

そして今年の初ライブは、La Giraldilla。

新年一発目のライブは、いつもとは少し趣向の異なるライブでしたが、とても愉しめました。

そして何よりも年始から幸先のよい心に残るお年玉を戴きました…

Antologia De La Musica Afrocubana付属ブックレットの和訳2011/01/07 22:30:06

Antologia De La Musica Afrocubana


 キューバ音楽のルーツを知る上で大変参考になる音源のひとつとして事情通の間で有名なEGREMからリリースされている10枚組CD集「Antologia De La Musica Afrocubana」 col. 0011があります。

 このCD集には、監修者でもあるキューバ音楽研究家Maria Teresa Linares Savio女史による10枚のCDを解説したキューバ音楽を知る上で大変有用なブックレットが付属しています。

 このお正月休みにでもCD聴きながらブックレットを熟読しようかと考えていましたが、どうせやるなら和訳してブログに全文掲載できないかと思い立ち、札幌在住のルンバ仲間と共同でこの作業を進めることにしました。

 不定期ではありますが、これから10回に渡ってこのブックレットの和訳をこのブログに掲載しようと思いますのでお楽しみに…


※ 誤字/脱字、誤訳や不明点など御座いましたらお気軽にコメント欄からご指摘下さい。コメントの内容は、私が内容を確認した後に公開出来るように設定されていますので、コメントの公開を希望されない場合は、その旨コメントにご記入下さい。

※ 本ブログは、ブックレットの和訳とブログへの掲載についてMaria Teresa Linares Savio女史より許可を戴いています。不許複製、転載不可。

01 Viejos Cantos Afrocubanos - 古いアフロキューバの唄2011/01/07 22:45:00

01 Viejos Cantos Afrocubanos


 何世紀にもわたる忌まわしい黒人奴隷時代の間、多くの民が故郷アフリカの地からキューバに連れ出された。彼らは、異なる発展段階の多様な文化要素を持ち込み、それらはスペイン文化やまた別のより複雑に混ざり合った文化と遭遇し文化的衝突が生じた。その結果より機能的で優れた要素が残りキューバ音楽の長い歴史においても異文化の融合が生まれ、その独自性を持った新たな文化的産物は変化し続けながら今日に至る。キューバに元来あった土着の文化はかなり原始的で未発達であったため、わずか五百年ばかり前まで続いた征服と占領の歴史の中での融合のプロセスにはあまり影響を与えることがなかった。

 何世代も経った今日もなお残存している多様なアフリカ文化が混じり合った中からひとつの要素だけが分離されるということはありえない。宗教儀式の音楽においてはほとんど変わることなく、かつて遂げた異文化の融合というものを信者や専門家を通して聞くことが出来る。

 こうして他のグループと異なるより敬虔な儀式や唄を用いるルクミ・クルサードを信仰する者は、ルクミまたはサンテーロと呼ばれ、いずれもキューバで生まれたものでカトリック・ルクミグループとも呼ばれる。これらのサンテーロは、それぞれの儀式や唄の違いによってマタンサスかハバナか、または他の土地の出身かが分かる。多くの場合において、混和はその一族一門の中で生まれ、アバクア(男性のみの結社で、カラバル<カラバリ>などナイジェリア南部のエグポ<エグボ>(秘密結社)に由来すると言われる。)の誓いをたてた男性がいたり、パレーロ(バントゥー由来の儀式を行う者で、主だったカトリックの要素をミックスしている。)であったり、聖者(オチャやサンテリアのしきたりの教導者と呼ばれる者で、カトリックの要素を融合させている。)であったり様々である。この様にカラバリ、バントゥー、ヨルバの文化は入り混じり、それぞれアバクア、コンゴ、ルクミと呼ばれるグループに見ることが出来る。

 現在では、アフリカの言語を記憶している者はごくわずかで、唄やパルラ(短いスピーチ:仏語)や礼拝で、言語の意味を理解しないまま象徴的に使われており、時にはスペイン語などに置き換えられている。

 アフリカ由来の楽器の使われ方は多岐にわたり、宗教的なものから世俗的なものまで境がない。コンゴ由来のタンボール(ンゴマ)・アバリラド(樽型の太鼓)は、トゥンバドーラやコンガという名称でルンバやコンパルサで使われ、同時にコンゴのリズムと結びつく事もある。またルンバやサンテリアにおいては、小さなザンザやムビラがマリンブラという名称になり、やや形や大きさを変えて宗教音楽からソンなどのポピュラーダンスにいたるまで使われている。

 異文化の融合過程や儀式、唄、ダンス、楽器の絶え間ない進化はそれぞれの環境に取り込まれ、我々が集録してきた古い唄やパルラや礼拝や儀式の唄などにその複合的な音楽的全景を見ることができるだろう。このCDを編集するにあたり、国内の様々な地域の音源を集めた。いくつかの収録曲は、演奏者をスタジオに呼んで収録したものもある。ルクミ・クルサードの儀式での唄は、サンチャゴ・デ・クーバ州のサン・ルイスで唄われているのだが、ここではヨルバの儀式とコルドンと呼ばれる精霊崇拝の要素が混じりあっている。ビリャ・クララ州からは、チャンゴーの祈りと唄、そしてモユバ(祈祷:ヨルバ語)を集めた。同じ機会に録った老齢の伝達者によるコンゴ・レアルの労働歌には砂糖キビ刈りの唄があり、この唄からは神のパワーを誇示しているのを主なテーマとして聴くことが出来る。

 マタンサス州のペドロ・ベタンコートでは、バイレ・デル・マニ(ピーナッツダンス)と呼ばれる古い拳闘の踊りの唄を再現した。ハバナ州のワナバコアでは、他のバントゥーまたはコンガ由来の唄を、さらにポリネロ(保線区員:線路の枕木の修理工)の唄、ユカの踊りとそれぞれのリズムは、カハ、カチンボ、ムラと撥を用いて老齢の演奏者によって再現された。労働歌は本来の目的を失い、ポリネロ、砂糖キビ労働者、パン屋などの古い言葉だけが残っていた。これらの歌詞は、猥雑なものを除くと日々の仕事に関する皮肉や自賛の言い回しに基づいている。

 ルクミやサンテリアは、彼らの故郷の文化の要素が多く残る儀式である。バタドラムはより宗教的要素の強い儀式で使われるが、形や名称もアフリカのものと同じで、これに加えてベルやセンセーロ(チャウォロと呼ばれる牛につける鐘のようなもの)が太鼓に取り付けられ音に変化を与える。同様のことが、ヨルバ由来のさほどオーソドックスでない限られた儀式で用いられるアブウェやチェケレにも見られ、外形や名称そして奏法は同じであるが、アフリカとは異なる環境での使用に合わせて材質や構造はある程度変化した。

 既述してきたヨルバ由来の音楽のいくつかは、プラセタスではベンベドラム(中空の丸太の片面に皮を張った片面太鼓)での演奏を録音し、ハバナではバタドラムで演奏されたオドゥドゥアとオバタラの曲を録音した。

 ハバナ州のヌエバ・パスでは、かつてバントゥー出身のグループによって演奏されたように、老齢の歌い手や太鼓の叩き手によってマクータの唄を録音した。

 ハバナ市では、ルンベーロ(ルンバ・パフォーマー)の葬列の古い唄を一曲、手拍子の入ったアララの唄を二曲、そして古いルンバ・コロンピアを一曲選んだ。同市の別のエリアでは、ウェンバの唄とアバクアのエンカメ(短いスピーチ:エフィク語)を録音した。



■収録曲

1. エンカメ - 1962年 現地録音
 アバクアの男たちが儀式で延々と自分たちのルーツの説話を語る。このエフィク語で語られるパルラをエンカメと呼ぶ。位の高いしかるべきメンバー(プラザ)によって語られ、その階級に相当する神聖なドラムで伴奏される。彼は他の階級のメンバーまたはコーラスと交互に唄い、曲は説話についての唄で終わったりする。

2. ウェンバ - 1962年 現地録音
 アバクアにはそれぞれの儀式のための唄が存在する。それらは常にソリストとコーラスによって交互に唄われる。歌詞は、説話や伝説についてのものである。儀式全体にわたりアフリカ起源の宗派に属する一説が復唱される。ウェンバ(魔術)の唄は秘密の部屋またはファンバ(アバクア寺院)内で唄われる。

3. ババルー・アジェの唄 - 1950年 現地録音
 サンチャゴ・デ・クーバ州のサン・ルイスでは、儀式の中にルクミ・クルサードと呼ばれるものがあり、これはサンテリアとペンテコステ教会の賛美歌の要素が融合したものから成り立ち、ヨルバのオリシャまたは神々について述べられている。この神は、カトリックのサン・ラサロと融合したものである。

4. エレグアの唄
 他の宗派には同じくヨルバの神エレグアを崇拝するものがあり、エレグアは道や儀式の始まりと終わりを司る。この唄は、前述のものと同様サンチャゴ・デ・クーバ州のサン・ルイスでのルクミ・クルサードの儀式にて録音された。ボク(アシコ:キューバ名)と呼ばれる樽板でできた円錐形の太鼓で広いほうの開口部に皮を張ったものや、アチェレ(マラカス様の楽器)や手拍子で伴奏される。

5. 労働の唄 – 1948年 現地録音
 我々が録音した全ての労働歌と同様に、この唄のメロディーは労働作業の動きに合わせたゆっくりしたものである。歌詞は自尊にあふれ、殖民時代から使われている十行単位の詩節から成る。唄は先導者によって始まり、それに対してコーラスが仕事道具のリズムで答えるというスタイルである。

6. コンゴの儀式の曲 – 1967年 スタジオ録音
 パレーロの入会の祭礼では、ムナンソ・ベラ(マクータなども踊る秘密の部屋)で神霊にとり付かれて失神する者もいることがあるが、この唄は手やガラバト(木の枝で作られたスティックで、農作業を楽に出来るようにするために整形されている。)で床を叩きながら唄われる。ここで紹介している唄はアカペラで、一方でそれに呼応するコーラスは口を閉じて唄う。

7. ユカのリズムと唄 – 1948年 現地録音
 砂糖キビ農場の労働者は、日曜日や限られた祝日に宴を楽しむために集まった。こういったコンゴの祝宴などはコンゲリアスと呼ばれ、近隣の砂糖精製工場からもグループが集い、拳闘ダンスで身体能力やリーダーの魔術的能力を競い合った。その後、ユカダンスと呼ばれるペアダンスが生まれた。

8. ユカドラムのソロ – 1948年 現地録音
 古いユカドラムはアボカドやアーモンドの木の幹をくり抜いて作られており独自の名称がある。巧みに自由なリズムを刻む一番大きなものは話し手でありカハと呼ばれる。横木の上に乗せたボディにタンボレーロ(ドラム奏者)が座って演奏される。ドラムの胴をスティックでたたくか、ブリキのカバーのついた中が空洞の別の幹(グァグァと呼ばれる。)と合わせて叩く。中くらいのサイズのものはムラと呼ばれ、一番小さなものはカチンボと呼ばれる。

9. アソインの唄 – 1964年 スタジオ録音
 キューバにはアララやダオメー由来の儀式がいまだに行われている土地がある。サンテリア信者の家の多くにはアソインが祀られているが、これはサンテーロ達によるとアララ・ランド(ダオメーではアルドゥラと言われる地。)の神で、ババルー・アジェと同一視され、またサン・ラサロもしくは聖人ラサロと融合したものである。

10. エビオソの唄 – 1964年 スタジオ録音
 エビオソはキューバではカトリックのサンタ・バルバラ、ヨルバではチャンゴーと同一視されている神である。他の全てのアフリカ発祥の唄と同様、ソリストとコーラスの掛け合いで唄われる。リズムは手拍子で刻まれる。

11. マクータの唄 – 1965年 スタジオ録音
 マクータとユカの唄はコンゴに由来し、コンゲリアと呼ばれる宴の席で唄われる。マクータとユカの違いはドラムの形や、リズムや唄によって区別され、また踊りにも両者の違いが見て取れる。この曲はハバナ州のヌエバ・パスの古いコンゴの唄の一節。

12. 労働の曲 – 1965年 現地録音
 これはビリャ・クララ州のプラセタスで録音された曲で、昔の開拓地で砂糖キビの刈り取りや収穫の作業の際に唄われたものである。歌詞はコンゴ・レアルと呼ばれる部族の魔術師を称えたもので、アフリカおよびスペインやキューバにおける力について述べている。

13. マニセーロの曲 – 1965年 現地録音
 マタンサス州のペドロ・ベタンコートでは、昔のマニ(ピーナッツ)ダンスや拳闘ダンスの伝統をコンゲリアス(コンゴの祝宴)で見ることができる。この録音は、これらのダンスの老齢の踊り手の指導によって再現されたものである。

14. 葬送曲 – 1967年 スタジオ録音
 キューバにはルンベーロ(ルンバダンサー)あるいは同時にアバクアに入会していた者の葬儀の際に唄や踊りの風習がある土地もあった。棺は墓場まで、打楽器や喉頭音に合わせて唄い踊る男たちによって担いで運ばれる。時には担ぎ手の一人が棺を背負ったり頭に載せたりして踊ることもあった。歌詞はアバクアの男たちによって使われた言葉で再現された。

15. ルンバコルンビア – 1967年 スタジオ録音
 ルンバは主要都市の風俗に基づく変化に富む表現が、いくつかのダンス様式によって複合的に表現されているものである。ここでは非常に古いコルンビアの曲を取り上げているが、これは常に男性がソロで踊り、一番小さなドラム(キント)のリズムに呼応しながら、アバクアのイレメ(ディアブリート(小さな悪魔)とも言う。)を模したステップや、その他非常にアクロバティックで複雑な動きで踊られる。

16. モユバ – 1955年 現地録音
サンテーロにとって、日々自宅の祭壇に祈りをささげることは不可欠なことである。ビリャ・クララのプラセタス・チャプテルでとり行われたチャンゴーの祭礼では、ヨルバ語から派生した言葉が用いられていたと思われる。ここでは祭壇に全ての聖人が祀られ、位の高いサンテーロ達が儀式の辞を述べている。

17. チャンゴーへの祈祷 – 1955年 現地録音
 これはヨルバ語の祈りの唄で始まり、その後チャンゴーの唄が太鼓やコーラスと共に続く。このビリャ・クララのプラセタス周辺で使われる太鼓は、円柱形で小さく片側のみに皮を張ってある。これはベンベ・ドラムと呼ばれ、ハバナ南部からシエゴ・デ・アヴィァまでのキューバ中央部の一帯で使われている。

18. オドゥドゥアの唄 – 1964年 スタジオ録音
 オドゥドゥアは男性の神で、キューバでは主要な神として考えられている。サン・マニュエルと同一視されており、また生死を司る神とみなされている。この唄は、ババラオの崇高な儀式や葬式で唄われる。

19. オバタラの唄 – 1964年 スタジオ録音
 オバタラは世界の創造主であり、そして知性と平和の神と考えられている。カトリックのヌエストラ・セニョーラ・デ・ラス・メルセデスと同一視されている。この唄は、オバタラの逸話についてのものであり、バタドラムとコーラスが入っている。


Antología de la música afrocubana.
Liner notes by María Teresa Linares. EGREM. col.0011.



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