みや川(東京 神楽坂)2011/01/15 02:38:56

みや川(東京 神楽坂)


今年の初うなぎは、やはり神楽坂みや川。

うなぎと言えば夏だと思う人も多いかと思いますが、実は以外にも冬のうなぎは脂が乗ってて旨いのです。

まぁ、夏でも旨いので、結局年中旨いんですけどね…

03 Musica Iyesa - イエサの音楽2011/01/15 13:12:20

03 Musica Iyesa - イエサの音楽


 1854年マタンサス市にて、このカビルド(同じ民族グループに属する自由な黒人と奴隷の相互扶助組織。)はオルーラ(予知能力を備えた神)を崇拝する21人のババラオ(Ifaと呼ばれる神託を伝えることの出来るサンテリアの司祭)達によって創立された。

 これら21人のババラオは皆、奴隷としてアフリカのイエサ・ランドから連れ出され、後に開放されたもの達であった。彼らは、マタンサスのヨルバ地域出身者のカビルドであるサンタ・テレサ会で出会った。これは、新たにサン・ファン・バウティスタ会の理念のもと始動したイエサの黒人男性によるカビルドである。

 現在(1977年)は、ファン・デ・ディオス・ガルシアにより主宰されている。彼はシプリアン・ガルシア、すなわちこのカビルドの初代の長の息子である。この新しいカビルドはオグンの信奉のもとに発展した。オグンは強い戦士であり、刃物や鍛冶など全ての鉄の神である。マタンサスのサラマンカ187番地にある家では、このオグン・アレレがサン・ファン・バウティスタの像に象徴されて守られているが、この事はアメリカに奴隷船が渡り、アフリカの多様な宗教とスペインのカトリックの融合現象にもなぞらえることが出来る。

 他のイエサのカビルドは統合され、そのうちハバナにあった2つは既に消失している。現在(1977年)までのところ、このマタンサスのサン・ファン・バウティスタ会のみが機能しているとみられる。

 かつてヨルバ・ランドにおいて重要な町であるオヨの西に至るまで、他のヨルバグループにも多大な権力を及ぼしていた小さな王国イエサ・ランドの伝統は、創立者である21人のババラオの子孫たちによって今日も守られている。

 イエサ・ランド(Iyesa、Yesa、Iyessa、Yecha、Iyechaなどの様々な表記がある。)には2つの首都があり、ウレチャには女性が、イボクンには男性が住んでいたとされている。ウレチャは地方、イボクンは都市であった。

 我々の調査によると、オサインという家の玄関の守り神、そして狩人のオチョーシ、オグン、オルーラ、そしてオチュンがイエサ・ランドから来たとされる。

 一般的にイエサの音楽は、少なくとも我々が把握している限りでは、バダドラムやグィロ(チェケレ:ビーズや種子を通した網で覆ってあり振って鳴らす楽器)を用いたものと比べるとそれほどシンプルで統合されたものではない。

 イエサの楽器は、ヨルバ由来の他のアンサンブルよりもその音においてよりパワフルである。三種の両面太鼓から構成され、大きなものはカハもしくはマイヨールと呼ばれる。これら三種のドラムは、イエサの祖先から受け継がれたドラムと考えられている。その後、キューバ独自にバスと呼ばれる低音の、特定の聖人のリズムを演奏するためのドラムが加えられた。

 更に三種のよりパーカッシブな楽器がこのグループに加えられた。ふたつのセンセロ(カウベル)もしくはアゴゴという異なる音程と音質(ひとつはより鮮明な音で、もうひとつはややくぐもった音)を持つ楽器と、葬送歌に使われる小さなグィリート(小さなチェケレ)と呼ばれるビーズや種子のついた網で覆われた楽器である。

 ドラム胴部の緑色はオグン・アレレの色である。緑はサン・ファン・バウティスタ像の衣装の色でもあり、深緑のヤシの葉を刈ったものが付けられている。オグンの祭壇には、様々な緑の植物とその他の象徴物が供えられ、オグン自身は三つ脚の古い鉄鍋の中に宿る。

 イエサドラムはスギ材で、皮は山羊、締め紐はカニャモ・イスェニョという特別な麻で出来ている。締め紐についての説明をさせてもらうと、これはたいていN字やジグザグ状であるが、柳のリングで押さえて張られた皮の縁から直接つなぐ代わりに、締め具の縁と胴に通した紐のラインにそれぞれ交差しないように繋げられている。これと同じ方法はアフリカから来たほかのドラムにも用いられている。これらの補助的な紐に宗教的な意味はなく、皮の周囲にさほど精密ではなく張られている。張りはN字の紐を2本ずつ綴じている横紐によって仕上げられる。

 このドラムのハラール(引く事)すなわち皮を張る手順は、皮を幾分湿らせておき、乾いた紐で行われる。その後紐を濡らし、それが乾くにつれ皮はさらに張られて、彼らが言うところの「ピアノのような状態」になる。より大きな宗教性が求められる場合には、口に含んだアグアルディエンテ(初回の蒸留で得られたラム酒:一番絞り)がドラムに吹きかけられる。

 音の調整をするにあたり、次の段階では特別なハンマーで叩いて張りの強さを加減する。これら神聖なドラムの張りの調整に熱を用いることはない。なぜならそこには一種神がかった、啓示を与えたり、慈悲を乞うたり、話したりすることの出来る力が宿っているとされるからであり、木材に神聖なドラムに使うための儀式を行い製造したもののみが知る秘密は注意深く守られる。

 また、ドラムが神聖なものとなる為に、彼らは黒か褐色の雄鶏、ココナツ、トウモロコシの穂軸、そしてアグアルディエンテを食さなければならない。食事中には、1本以上の蝋燭が灯される。センセロ、グィリートや撥もこの食事の儀式によって然るべき祈祷がなされる。

 食事が終わると、皮を張る工程にすすむ。撥(オパ・イル)は多数用意され、その大きさや重さも様々で、各演奏者はその中から技法や表現に合うものを選ぶ。イエサドラムは全てのアフリカが先祖の民族音楽同様、常に同じ種類のドラムが使われるが、音を厚くするために、それぞれ異なる音を持つドラムを複数組み合わせて演奏される。バタやオロクンドラムは、より豊かな音程や音色を持っているので、技法によって異なる音を出すことが容易である。

 一方、これらイエサドラムのように、音色を変えるのに皮の色々な部分を叩くという技法をとらないものは、全体の音域は下がる。カハと他二つのドラムの音域の差はより大きくなることが認められる。他二つのドラムは、はっきり区別された役割を持つ。また他二つのドラムの間には、リズム装飾を伴い一定のビートを刻むもうひとつの役割がある。

 キューバで加えられた第4のドラムであるバスは、ほとんどいつもカハをサポートする形で演奏されるのだが、これは明らかに、かつてイエサランドの地からカビルドの創立者の一人として渡ってきた最初のドラム奏者とは、世代的にはそれほど離れていないものの、祖国から離れたことにより精神面での喪失が生じ、現在ではほとんど儀式の為だけに演奏される、音楽表現に要する情感なども失われたからである。

 同じ事は二つのセンセロとアゴゴにも起こり、これらはドラムとは異なる意味や表現法でひとつのリズムを形作る時に組み合わせられる。

 センセロのリズム形態は、我々が現在までに知りえた限りでは、ふたつの異なる表現や様式に限られる。一定の短い様式も形成するが、これは非常に短い音で神罰への脅威を表すものである。これら全てのリズム構造には、それぞれ規則性があり、異なる表現目的に合わせて独自のダンスと密接に関連する音楽に用いられる。

 これらイエサのリズムは、大きく二種類のグループに分けられると考えられる。ひとつは、エレグアやオグンのように荒々しく大きな音の強いリズムと呼ばれるもの。もうひとつは、オチョーシのようなより軽いと称されるリズムで、これはルンバにやや似ていると教えられた。いくつかのビートは、速くて細分化された緻密なタイミングで表現されるリズムで、その一方あまり細分化されない柔軟なリズムもある。

 ソリスト(アプウォンまたはアコリン)の唄で曲が始まり、カハが入り次の唄い手へのリズムを示し、その後残りの楽器が入るという形を認めることが出来る。バスは常にカハに従う。ひとたびその神の曲が始まると、唄い手がやめない限りはひとつのリズムが続き、その後絶え間なく次の唄へ移るという一連の流れがある。バタの曲では、その神についての一節が変わるたびに一連の流れが止まることはない。これらは恐らくキューバで改変されたものか、アフリカから持ち込まれたものであろう。コーラス(バサロ)は、ソリスト(アプウォン)の主旋律から引用したフレーズをモチーフとして応える。このソリストとコーラスの呼応は、キューバ音楽の最も特徴的な要素のひとつである。

 ここに収められている曲は、1977年7月にカビルドの会堂で収録された祭式の始めの神々への挨拶として作られたオルの唄とリズムである。ソリストのアドルフォ・マス・カルタヤは30年以上ソロを勤めている人物。ドラムはカビルドのベテランであるロレト・ガルシア・ロペス(100歳)、アンヘル・ペリャディート・フンコ、サビーノ・ガルシア、若手のカルロス・チャステレイン・デ・アルマス、ガストン・ロペス・ガルシア、エルピディオ・ロペス・ガルシア、ロレンゾ・ウルティア、そして最年少のバルバロ・マス・ラマール。コーラスは、ディレクターのフアナ・バウティスタとフアン・デ・ディオス・ガルシア、アンヘル・ガルシア、エンリケ・メサ・セスペデス、アメリア・サンチェス・ガルシア、リドゥビーナ・ミロ・プラツ、マニュエラ・スミス・カノ、イライダ・ドミンゲス・ラマール、マグダレーナ・アルダサバル、エルナンデス、エバ・ローサ・ソカ・ザネッティとその姉妹のセランダ、フアナ、レイダ、レグラ、オイルダ、そしてルイス・マス・ラマール。

 ここでは異なる楽器の個別のリズムを含め、続いてエレグア、オグン、オチョーシ、ババルアジェ、アガユ、チャンゴーの唄、そして結びの唄のアセレヨ・デ・エレグアが収められている。



■ 収録曲

1. ソロ・ドラム - 1:55
2. エレグア - 2:17
3. オグン - 2:09
4. オチョーシ - 2:01
5. ババル・アジェ - 2:13
6. オバタラ - 2:17
7. ジェガ - 2:24
8. オヤ - 2:09
9. オチュン - 2:50
10. イェマヤ - 2:50
11. アガユ - 2:31
12. オルーラ - 2:22
13. アセレヨ・アニャ・エレグア - 4:08


Antología de la música afrocubana.
Liner notes by María Teresa Linares. EGREM. col.0011.



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