図録では、その作品を感じ取ることがとても難しい作品がある。
池内昌子の絹糸を用いた作品はその際たるものだと思う。
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絹糸を結び、切る。
空気のなかに漂いながら、密やかに感知する。
みえない、みえにくいもの。
空間を測り、視る。
天上と地上、地核。
糸の支点を探す。
糸を宙吊りにする。
自重と張りとのつりあいで、形態は形成される。
結び目 - 記憶、時間 - が浮かぶ。
糸は人の気配にかすかに揺れ、湿気を含んだ呼気に弛む。
池内昌子のステイトメントから
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