ヴィデオを待ちながら - 映像、60年代から今日へ(東京国立近代美術館) ― 2009/05/03 17:46:56
曇り空の中、自転車でポタリングがてら竹橋の東京国立近代美術館(http://www.momat.go.jp/Honkan/honkan.html)へ向かう。
今日は、月初めの日曜日なので常設展は無料。2Fの現代美術フロアと同じく2Fのギャラリー4で開催中の「木に潜むもの」を一通り観てから、1Fで開催中の「ヴィデオを待ちながら - 映像、60年代から今日へ」へ移動。
この展覧会は、60年代から現在までのアメリカ/ヨーロッパ/日本のアーティストによるフィルムやヴィデオ作品を公開していて、映像作品の黎明期である60~70年代の作品を一挙に観る事が出来る貴重な展覧会です。60~70年代に制作されたアンディ・ウォーホル、ヴィト・アコンチ、ブルース・ナウマン、リチャード・セラ、デニス・オッペンハイムなどの名作とビル・ヴィオラ、ペーター・フィシュリ+ダヴィッド・ヴァイスなどの現代の作品を一度に観る事が出来ます。
入口付近に展示されている一発目の作品は、ジョン・バルデッサリの"I Am Making Art"という作品。無地背景に作家本人が少しずつポーズを変えながら「I Am Making Art」と言い続ける18分40秒の作品です。60年代後半から具体的な物を作る事を一切止め、芸術を成り立たせる条件を問う行為自体を作品として作り続けている作家です。この作品は、「芸術についてのクリシェをすべて捨て、根本的な何かに到達する」ことを意図して作られているそうです。この作品が芸術であるとするならば何故芸術なのか?芸術でないとするなら何故芸術ではないのか?はたまた芸術とは一体何なのか?様々な事を考えさせられる作品です。
今回集められている60~70年代の名作は、今日のヴィデオ作品の礎となった作品ばかりなので、学ぶ気持ちで拝見しました。
今回のお気に入り作品は、現代作家中心になってしまいますが、ビル・ヴィオラの「映り込む池」とペーター・フィシュリ+ダヴィッド・ヴァイスの「事の次第」。この二作品には引き込まれました。あと、フランシス・アリスの「リハーサルⅠ」(http://www.youtube.com/v/mT60sWfvjhM&hl=ja&fs=1の3:43辺り)は、思わず笑ってしまうユニークな作品でBGMがダンソンなのがお洒落です。
この他にも沢山、山盛りいい作品が展示されていますので、ヴィデオアートに興味のある方は、是非丸一日使って観る覚悟で来場した方がいいかと思います。
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