エミリー・ウングワレー展(国立新美術館) ― 2008/07/19 18:50:27
今日もホントに暑いですね。いつの間にか気象庁も梅雨明け宣言してるし… どうなっちゃてるのでしょうか、この異常気象。
とはいうものの家にジッとしていることも出来ずに国立新美術館で開催中のエミリー・ウングワレー展(http://www.emily2008.jp/)が会期もあと少しなので、見逃さないようにと暑い中出かけた。
80歳過ぎからキャンバスに描き始めたというアボリジニを代表する異色の作家で、有名になってからもその生涯を砂漠地帯の小屋で、伝統的な生活スタイルのまま過した作家です。
カテゴリとしては、抽象絵画になると思うのですが、西洋美術と接点がある訳もなく、当然ながら美術教育などを受けている訳でもなく、それでいて自然と筆が奔り作品になっていますので、余計な事が一切感じられなくて力強く清々しいです。とても80歳を過ぎた人が描いている画とは思えません。
あれ程のスケールの作品(2911×8018mmとか)を描き上げるパワーは、一体どこからやってくるのでしょうか?
今回のお気に入りは、「カーメ」というエミリー・ウングワレーのミドルネーム(ヤムイモの種)がタイトルの作品です。黄緑ベースの点描で、観れば観るほど立体感が感じられ引き込まれます。帰りに図録を買って帰ったのですが、オリジナルとはスケールも違うし(オリジナルは、3031×1378mm)立体感も感じられません。所詮図録なんで仕方ありませんが…
作品は、イーゼルを使わずにカンヴァスを地面に置いた状態で四方から描き込まれている為にそのほとんどの作品に天地が指定されていないそうで、様々な情報を元にキュレーターが天地を判断していい事になっているそうです。ということは、壁に掛けずに床に展示するのが、正しい展示方法なのかもしれません。
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