横浜トリエンナーレ20082008/09/23 22:00:27

横浜トリエンナーレ2008


いやー、ホント疲れました。久しぶりの秋晴れだったので、午前中から夕方までミッチリ観て来ました。三年に一度の現代アートの祭典「横浜トリエンナーレ2008」。

主だった会場が、三箇所に分かれているので、まずメイン会場と思しき新港ピアへ。入り口を入ると初っ端からヨナタン・メーゼの作品(http://www.cfa-berlin.com/artists/jonathan_meese/videos/)です。自らの写真やコラージュ、身体の部位の写真、蛸のぬいぐるみ、茎わかめ(おつまみ)などが渾然一体となった異様に力強いインスタレーションです。何故かカッコいい作品です。

この会場のビデオ作品の中で一番のお気に入りは、マーク・レッキーの「白い巨大な蛮族の行進」という作品です。彫刻の映像と音の構成が大変リズミカルで面白かったです。調べてみると今年のターナー賞候補に挙がっているそうです。(http://www.tate.org.uk/britain/turnerprize/turnerprize2008/artists/leckey.shtm

インドの現代アート界の旗手シルパ・グプタ(http://www.flyinthe.net/index.htm)は、この会場には非常に巨大なメッセージ性の強い面白い写真作品を出展していました。

まぁ、他にも色々ありましたが、次なる会場へ移動しようと表へ出るとシャトルバスが丁度出るところだったので、乗せてもらい赤レンガ倉庫1号館へ移動。

この会場のメインの出展作品は、パフォーマンスアートなので、アーカイブのビデオ映像を数本流しています。そんな中、ミランダ・ジュライ(http://mirandajuly.com/)の狭い廊下を用いた体験型インスタレーションは、紙芝居のようでもあり、迷路のようでもあり中々面白い作品でした。

で、三つ目の会場、日本郵船海岸通倉庫にテクテク歩いて移動。1Fの勅使河原三郎(http://www.st-karas.com/index1.html)のインスタレーションには、会場の表にまで待ち行列が… 仕方なく暫らく並んで観る。確かに人気がある作家だけに流石に並んででも観る価値のある美しい光のインスタレーションは圧巻です。

同じフロアには、動物の屍骸や内臓、血などを用いるウィーン・アクショニスト、ヘルマン・ニッチュ(http://www.nitsch.org/)のR-15作品「オージー・ミステリー・シアター」が展示されています。あたり一面血の海のような作品です。キリスト教の受難劇やギリシャのディオニソス祭などがベースになってるそうですが、観る側に宗教的なバックボーンが無いため今ひとつピンと来ません。現地では、その過激なパフォーマンス故に度々逮捕されているようです。

この会場では、マシュー・バニー(http://www.cremaster.net/)のパフォーマンスのビデオ作品(R-15)が出展されているんですが、ここにも待ち行列が… 45分程度の作品なので、30分くらい待たされて立ち見で45分、腰に来ます。しかも展示スペースが狭い上に画面が小さい。せめてプロジェクターで投影して下さいよ。作品は、相変わらず幻想的で難解なパフォーマンスです。

ということで、書きたい事は沢山あるのですが、今回特に気になったのは、勅使河原三郎やマシュー・バニーのような人気作家の展示スペースが小さ過ぎて異常に混むのを何とかして欲しいです。インスタレーションの場合は、場の容積も作品のうちという事もあるので、簡単にはいかないかとは思いますが、ビデオ作品は、せめてプロジェクターでバーンと大きな画面で観たいものです。主催者の方次回宜しくお願いします。